ジョージ・ソロスの10の言葉に学ぶ
「自分さえよければ社会」(アメリカ)への痛烈な批判
〜「この荒涼たる世界において、日本はキー・プレーヤーとなってはならない」(ジョージ・ソロス)
ジョージ・ソロスの著書の中に、学ぶべき数々の名言がある。
以下、いくつかを紹介する。
【1】《アメリカは不愉快な現実から目をそらす「自分さえよければ社会(フィール=グッド・ソサエティ)」になってしまった》[この言葉は、いまの日本にも当てはまる]
【2】《情けないことに、一般民衆がブッシュ政権にだまされて、その言いなりになってしまった》[この言葉も日本に当てはまる。日本国民は小泉・安倍政権・自民・公明・マスコミ大連合にだまされて言いなりになってしまっている]
【3】《“自分さえよければ”の態度が改まらないかぎり、合衆国は世界における支配的地位を失うだろう。アメリカばかりか、世界にとっても、深刻なまでに有害な結果になるだろう》[日本も同様だ。“自分さえよければ”的生き方を改めないかぎり、日本は近い将来、破滅するだろう]
【4】《アメリカはすでに、ディック・チェイニー副大統領とドナルド・ラムズフェルド国防長官という極端なイデオローグの手に落ちている。この二人は、真理は操作可能、それも首尾よく操作できると確信しているのだ。二人はすでに、「生まれ変わりキリスト教徒(ボーンアゲイン)」の大統領と「自分さえよければ型」の民衆を首尾よく操作してきた》
【5】《厄介の根本原因は、テロとの戦争という虚偽のメタファである。これは、世界における私たちの立場に恐るべき損傷を及ぼし、国内のオープン・ソサエティを危機に陥れてきた》[日本ではテロとの戦い・日米同盟・構造改革という虚偽のメタファが、日本に恐るべき損傷を及ぼした]
【6】《テロとの戦争という虚偽のメタファを拒否しないかぎり、この損傷の修復にとりかかることはできない》[日本国民はテロとの戦い・日米同盟・構造改革という虚偽のメタファを拒否しないかぎり、小泉政治による混乱から立ち直ることはできない]
【7】《オープン・ソサエティが合衆国で危機に瀕した……が、それはテロリストの攻撃ゆえであるよりも、ブッシュ大統領のその攻撃に対する対応ぶりゆえだった。……テロとの戦争を宣言することによって、オープン・ソサエティの核心にある批判的思考モードを停止させた。大統領の政策に対する批判は、非愛国的として否定された》[日本においても日米同盟(実は従属)と小泉構造改革への批判は封殺された。日本における言論(批判)封殺は、アメリカ以上といえるかもしれない]
【8】《アメリカの民衆はイラク戦争には背を向けたけれども、未だテロとの戦争には同意している》[日本国民は、いまだ、イラク戦争に背を向けるまでにも至っていない。いつまでもブッシュ政権の言いなりである。日本国民は、真実の情報を知ることができない。原因は報道機関(マスコミ)が自主性を失い、政治権力の広報機関化したことにある]
【9】《アメリカがおかしくなってしまったのは、そして「均衡とはほど遠い状態」に入ってしまったのは、テロとの戦争との関わりのためだと確信している私としては、テロとの戦争を否定しないかぎり、自分たちが正気に返ったと見なすことはできない》[日本がおかしくなってしまったのは、小泉劇場政治の結果、国民の多くが、社会のこと、政治のこと、経済のことを真面目に道徳的に考える習慣を捨て去ったからである。立ち直るには大変な努力が必要だ。日本のほうが、アメリカよりずっと大変かもしれない]
【10】《(ブッシュ政治に対する)批判は非愛国的と決めつけられ、私たちの民主主義の安全弁である抑制と均衡は排除された》[日本においても小泉政権への批判は封殺された。日本のマスコミは政治権力の追随者になり、言論の自由を放棄した]
ジョージ・ソロスの著書を読んで、同氏に対する認識を改めた。ソロス氏がいままでやってきたことに対しては許し難い気持ちをもってはいるが、いまソロス氏が主張していることは基本的に正しいと思う。
早稲田大学教授の榊原英資氏(元大蔵相財務官)が、本書の最後に「解説」を書いている。
「ジョージ・ソロスというとヘッジ・ファンドの雄……しかし、彼は一方で20世紀最大の哲学者カール・ポッパーの弟子であり、ポッパーのオープン・ソサエティの理想を奉じ、それを実戦してきた、行動する思想家である。……そして、今、ジョージ・ソロスはこうした哲学に基づいて、アメリカの政治を変える、という実践を激しく展開しているのだ」
内外の政治の流れは変わり始めた。2006年11月からの約2年10カ月の間が歴史的大転換期となるだろう.
森田実の言わねばならぬより転載
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